もう一つアメフトの話題…ルイビル大は順当勝ち

万年下位UKも22年ぶりの快挙:オフ招待戦

 

 強豪ルイビル大がボウル・ゲーム(シーズン終了後の招待試合)に勝ったのもめでたいニュースですが、久々に出場したUK(ケンタッキー大学)の勝利にレキシントンはお祭り騒ぎ。監督(コーチ)の大胆な作戦で、最高のシーズンの最後を飾りました。

ルイビル大学 (スーパー・ボウルの寄稿者Aさんの注)

フットボール部創立以来84年間でその年強かったチームにご褒美として招待されるボウルゲームに5回しか行ったことのなかったのに1998年からは連続してボウルゲームに出場し、9年目の今年は「4大ボウル」と言われるオレンジボウルで勝利。 来年は優勝候補の1角として認められるでしょう。

………とここまで書いた矢先にヘッドコーチであるボビー・ペトリーノがNFLのアトランタ・ファルコンズに招聘されることが決定。 来年はどうなるのでしょうか…。

 それでは、12月29日にテネシー州ナッシュビルで行われたミュージック・シティー・ボウルでUKがクリムゾン大(サウス・キャロライナ)に大勝した試合を、アメフトのルールを知らない方にも分かっていただけるように解説してみましょう。

 

前半(第2クォーター)終了2分50秒前、UKは7-6と1点差でリードしていました。そこで、ブルックス監督が大ばくちを仕掛けたのです。

 

 ところで、アメフトには他のスポーツとは全く違う特徴があります。他のスポーツでは、ゲームが連続して流れていきますが、アメフトではプレーがデジタル的に分割されています。ボールを持っている攻撃側の選手が走ったりパスしたりして相手陣地を目指して進むのを、守備側が引き倒して止めるまでが1プレー。4プレーが1単位で、その間に10ヤード進むことができると、新たな4プレーの攻撃権がもらえます。理屈では4回で10ヤード進めばよいのですが、敵のボールになれば即ピンチ、普通4回目には無理をしません。

 

 その時、UKは自軍陣地前20ヤード地点でした。敵の手にボールが渡ったら自軍陣地はもう目の前…最低3点=逆転は覚悟しなければなりません。このような時は、99%のケースで「パント」と言って相手陣地深くに蹴り返し、攻撃権をあきらめる代わりに守りやすい体制を取ります。この時も、UKからは「パント」専門の選手が出てきました。敵も蹴ったボールを受け留めて攻撃に移るため、自軍陣地に大きく下がります。

 

 「突撃!!」ブルックス監督が、前から決めてあった合言葉でこっそり指示を出しました。今シーズン繰り返し練習してきたのに一度も実戦で使うことのなかった作戦です。「パント」する筈の選手が、蹴らずに投げました。ボールを受け取った選手は、意表をつかれた敵の守備をかいくぐって10ヤード走りました。新たな攻撃権を得たUKは、動揺する敵に息をつかせず、次の攻撃ではロング・パスを通します。ボールを取った選手は、そのまま相手陣地に駆け込んでタッチダウン。

 

 前半で、一挙に14-6と引き離し、そのまま終始押し気味に試合を進め「28-20」、ボウル・ゲーム(シーズン終了後の招待試合)では22年ぶりという輝かしい勝利を飾ったのです。強いUK…正直、期待していなかったので、私もびっくりしました。

 

 UKが所属する大学リーグSEC(南東部カンファレンス)には、バスケット・ボールでもそうですが、強豪チームが多くてたいへんなんです。今シーズンも、初戦でルイビル大に大敗したときは、地元メディアに「次の2試合を一つでも落とせばブルックス監督は解雇」と書かれていたほどですが、そのブルックス監督は来期も留任することが決まっています。ご参考までに今期の結果です。

 

勝敗 対戦相手 試合結果 通算戦績
× Louisville 28-59 0-1
Texas State 41-7 1-1
Mississippi 31-14 2-1
× Florida 7-26 2-2
C. Michigan 45-36 3-2
× S. Carolina 17-24 3-3
× Louisiana State 0-49 3-4
Mississippi State 34-31 4-4
Georgia 24-20 5-4
Vanderbilt 38-26 6-4
La. Monroe 42-40 7-4
× Tennessee 12-17 7-5
Clemson 28-20 8-5