暮らし (ヤード・ポンド法とメートル法、華氏と摂氏)

アメリカ国民の皆さん、もうあなた方だけですよ!!

 私は、アメリカ社会に根付く自由と民主主義を尊ぶ「柔軟性」が大好きですが、対外的には、一転してジコチューを貫く「硬直性」にうんざりしています。「パール・ハーバー」と「ワールド・トレード・センター」以外に国土を蹂躙された経験のない国には分からないのでしょう。この国の場合は、少し「愛国心教育」を見直して、国際協調の精神も併せて教えてもらいたいものです。

 といっても、堅苦しい話をするつもりではありません。今回のテーマは皆さんの暮らしに身近な単位の話。尺貫法は中国、韓国にはまだ残っているそうですが、日本では1951年の法改正で(「坪」を除いて)一掃され、わが団塊の世代はメートル法一筋で迷わず育つことができました…敗戦のおかげかもしれません。ヤード・ポンド法は、EU(欧州連合)の影響力が強まったためでしょうか…2000年に本家のイギリスでも、ついに使用が禁止されたそうです。いまや暮らしの中でヤード・ポンド法や華氏を使う国は、実質アメリカだけになってしまいました。

 尺貫法やヤード・ポンド法は、古来、各民族が使っていた体の部位や穀物袋などを標準にした実用的な単位を体系化したものですから、親指の幅の「インチ」を12倍すると靴底の長さ「フット」、さらに3倍するとウェスト周りの「ヤード」とややこしい限り(各単位の起源については諸説あります)。「フット」が複数で「フィート」に変化するのも、日本人の私には不愉快です。

 メートル法は、自由・平等・博愛の革命の理念のもとに、1970年にフランス国民議会が世界共通単位として提議したものだそうです。(現在は、素粒子物理学の発展でより厳密に定義されていますが)、「長さの単位」は地球一周が4万キロメートルとなるように、科学的な計測値で決められました。私たちには当たり前のことですが、単位の換算が全て10進法でできるのは画期的なことです。各単位も合理的な基準で定められ、基準となるメートル原器も作成されたのです。 

 それでは、ヤード・ポンド法の長さ、広さ(面積)、かさ(容積)や重さの単位については、後ほどまとめて解説するとして、まずは応用問題から先に入りましょう。

 温度は身についた感覚ですから、換算が厄介です。お天気(気温)は暑い寒いを多少勘違いしても大事ありませんが、病気の際の体温やお料理のお湯やオーブンの温度を測るとなると真剣にならざるを得ません。公式は次の通りですが、もっと簡単に計算する方法はないでしょうか?

F = \frac{9}{5}C + 32 C = \frac{5}{9}(F - 32)
 華氏と摂氏の対比表をよく見ると、華氏50度が摂氏10度に一致しているのがお分かりですか?これを基準値にして9/5または5/9で換算した数字を足したり引いたりしてはいかがでしょう。例えば、摂氏30度は、30-10=20→20X1.8=36→36+50=86→華氏86度。逆は、5/9が0.555…で計算しにくいので、私なら0.5か0.55で簡易換算します。華氏150度は、150-50=100→100X0.55=55→55+10=65→摂氏約65度が私の答です。  
°F   0  10  20  30  40  50  60  70  80  90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 190 200
°C -17.8 -12.2 -6.7 -1.1 4.4 10.0 15.6 21.1 26.7 32.2 37.8 43.3 48.9 54.4 60.0 65.6 71.1 76.7 82.2 87.8 93.3

 さて、風速何メートル(もちろん秒速)の世界で暮らしていた私たちにとっては、風速が時速何マイルと言われてもなかなかピンときません。1マイルは約1600メートルで、1時間は3600秒ですから風速10メートルは10X3600/1600=22.5で約22.5mph(miles per hour)ということになります。ちなみに、ハリケーンの強さを表すシンプソン・スケールは次のように決まっています。昨年の8月にニューオリンズを襲ったカトリーナはスケール5で中心気圧は観測史上6番目だったそうです。

  被害 風速 波の高さ
5 Catastrophic 156 mph 以上 69m/秒 18フィート以上 5.4m以上
4 Extensive 131〜155 mph 58〜68m/秒 1318フィート 3.9〜5.3m
3 Extreme 111〜130 mph 49〜57m/秒 912フィート 2.7〜3.8m
2 Moderate 96〜110 mph 43〜48m/秒 68フィート 1.8〜2.6m
1 Minimal 74〜95 mph 33〜42m/秒 45フィート 1.2〜1.7

 燃費やガソリン代も換算するには一苦労です。’07年型カローラ(オートマ)の燃費は、市内で30mpg(マイル/ガロン)高速で38mpg(マイル/ガロン)ですが、日本式に換算すると1.6をかけて3.785で割りますから市内12.7q/ℓ、高速16.1q/ℓが回答です。

 ガソリン代は為替レートで変動しますが、最近の為替レートを115円/ドル、ガソリン価格を$1.25/gallonとすると、1.25X115/3.785で約38円/ℓという答が出ます。日本では今120〜130円/ℓでしょうか?運転する距離が違うので単純に比較しても意味がありませんが、値上がりしたとはいってもアメリカのガソリン価格はまだまだ格安ですね。

 それでは、次に、広さ(面積)、かさ(容積)や重さの単位について個別に解説です。

 

長さの単位: 通説では、インチが親指の幅、フィートが靴底の長さ、ヤードがウェスト・サイズに由来するそうです。マイルは、古代ローマの「2歩」相当単位(フィートの5倍)の1000倍で「mille passus」と呼ばれており、そもそもは5000フィートだったのだそうです。

インチ inch 1/12フィート 2.54 p
フィート feet 1/3ヤード 30.48 p
ヤード yard (定義) 0.9144 m
ポール pole 5.5ヤード 5.0292 m
チェーン chain 4ポール 20.1168 m
ハロン furlong 10チェーン 201.168 m
マイル mile 8ハロン 1.609344 q
リーグ league 3マイル 4.828032 q
広さの単位: 普通、家の広さはスクエア・フィート、庭の広さはエーカーで表します。日本式に一挙に換算すると、一坪は35.58ft2、1エーカーは1,224坪になります。皆さんのお住まいの敷地面積は150〜300坪あるのではないでしょうか?芝刈りがたいへんなはずですね。

平方フィート

square feet

フィートXフィート

0.09290304u

tsubo

畳2畳

3.305785u

ルード rood 1ポール×1ハロン 1011.7141056u
エーカー acre 1チェーン×1ハロン 4046.8564224u
かさ(容量)の単位: 液体用と穀物用、それに英国単位と3種類のガロンがあるそうで、まじめに付き合う気になりません。でも、ガロン、パイント、オンスは買物やお料理にも使うので知らないと不便ですね。ブッシェルは穀物の市場取引に使う単位ですが、石油取引のバレルは通常のバレルではなく42液量ガロンのことなんだそうです。もう勝手にしろ…と言いたくなります。
液量オンス ounce 1/16液量パイント 29.5735295625mℓ
パイント pint 1/2クォート 473.176473mℓ
クォート quart 1/4ガロン 946.352 946 mℓ
ガロン gallon (定義) 3.785 411 784 ℓ
ブッシェル bushel 8 米穀物ガロン 35.23907017
バレル barrel 31.5ガロン 119.240 471196 ℓ
重さの単位: 本当は一般のオンスのほかに貴金属用のトロイオンスと薬剤用のオンスがあったそうですが、ありがたいことに滅多に用いられなくなったそうです。日常、ポンドとオンスさえ知っていれば生活には困りません。オンスはかさ(容量)の単位と同じ呼び方をするので混同しないでください。お医者さんに行くときなど、自分の体重(ポンド)と身長(フィート/インチ)をメモに控えておくといいですよ。1フィートは12インチですから気をつけて!!

グレーン

grain

1/7000オンス

0.064 79891 mg

ドラム

drachm

 1/16オンス

 1.7718451953125 g

オンス

ounce

1/16ポンド

28.349 523125 g

ポンド

pound

(定義)

0.453 59237 kg

クォーター

quarter

25ポンド

11.339 809 25 kg

ハンドレッド

ウェイト

hundredweight

4クォーター

45.359 237 kg

ショートトン

short ton

20ハンドレッド

ウェイト

907.184 74 kg