Q&A

 

初めての北米生活:冬の備え

ご相談:赴任して北米で最初の冬を迎えます。何か準備しておいた方が良いことがあれば教えてください。

ご回答:屋内、屋外、自動車、健康管理に分けて、それぞれ思いついたことを書き留めてみました。

 

 


屋内

 

加湿器

 たいていのセントラル・ヒーティングはエア・コンなので、冬は室内がひどく乾燥します。健康のためにも、加湿器を使って適度な湿度を保ちたいものですが…加湿器は大きく4種類に分かれます…いずれも一長一短?以下は私たちの評価です。

  1. 日本に多い超音波タイプ。静かで良いのですが、アメリカの広い部屋には行き届かないようで、周囲だけが湿っていたりすることがあります。

  2. 羽根で水を攪拌、振動させて、蒸気にするタイプ。効果は◎。でも、少しうるさい、壊れやすい、カビが付きやすく掃除がたいへんで、直接蒸気にあたると冷たい感じがすることがあります。

  3. 水を満たした中に紙のフィルターを浸し、扇風機で湿気を送る。効果は◎で音も静か。でも、フィルターはもちろん有料で、交換が面倒といえば面倒。

  4. 塩を少し入れて電解させた水を加熱して蒸気にする。効果は◎で比較的手軽。でも、一晩中お湯湧き音が続くので、気にする人にはお勧めできない。

エアコン

 最近はオール電化の家も増えてエアコン系も少し変ってきましたが、ガス暖房の場合は、天井裏や地下のファーナス(写真)とダクトの間にエア・フィルターを差し込む隙間があります。エア・フィルターにほこりがたまると空気の流れが悪くなりますから、絶えず暖房の動いている冬は頻繁に取り替えないと、ガス代、電気代を余計に払う破目になります。

 

 エア・フィルターには、屋内のほこりを抑える役割もありますから、アレルギーに弱いご家庭は、ホーム・センターでアレルギー抑制効果のある高価なものを選んではいかがでしょう。ご購入前に、しっかりサイズを確認してから出かけないと二度手間になります。理屈はよく分かりませんが、屋内が乾燥しすぎた場合は、FANをAUTOからONに切り替えると改善するようです。

 

停電対策

 寒い時期に長時間の停電があるとたいへんなことになります。レキシントンでも、フリージング・レインで木が倒れて電線を寸断する事故がありました(新しいサブディビジョンは比較的安全でしょう)。滅多にないことですから、わざわざ石油ストーブと灯油を用意するのは取り越し苦労でしょうが心構えは必要です。ガス暖房の家でも、電気が止まれば暖房もお湯も止まってしまうのが普通です。

 

 結論からいうと、暖房が止まったらホテルなどに逃げ出すのが一番です。市内の宿泊施設には予約が殺到しますから、大停電になると判断したら直ちに決断しなければなりません。ただ、水道が凍結しないよう常に微量の水が流れるように栓を開けておいてから避難してください。

 

 石油ストーブはすぐ売り切れ、灯油も不足し、慣れない利用者が一酸化炭素中毒で救急車に運ばれます。暖炉は頼りになりますから、日頃利用することのない皆さんも使い方だけは調べておきましょう。薪やプロパンの入手も競争になります。写真は都市ガスの暖炉ですが、マッチやライターなどとガス栓を回すハンドルが見つからないと火がつけられません。暖炉の上には煙突がありますが、普段はふたが閉まっています。誤った使い方で、くれぐれも事故を重ねないでください。

 

 灯りも懐中電灯とろうそくが頼りで、布団にくるまって寒さをしのぐ越冬生活です。当然、携帯電話は充電できません。たいていの電話は使えなくなりますが、わが家には電池式の電話が1台あるので非常時には役立ちます。以上、摂氏零下5度で3日過ごした私たちの経験でした。

 


屋外

 

ホース

 気温が0℃以下になるまでに庭のホースを水道栓から取り外しておく…最低、これだけは忘れずに実行してください。水道管の破裂事故に結びつきます。ホースに残った水が凍って屋内の管にどう影響するのかメカニズムまでは知りませんが、運良く冬を乗り切っても、春先少し温かくなった頃に必ずと言っていいほど起きます。留守の間に破裂したら、家中が洪水です。おおもとの水道栓はどこにあるかご存知ですね?要チェックですよ。

 

落ち葉

 お宅の落ち葉の季節は、もう終わりましたか?落ち葉かきは面倒ですが、しっかりやっておかないと葉っぱが芝の薄いところにへばりついて日差しをさえぎり、来春芝の芽が伸びるのをさまたげてしまいます。芝がはげればそこから雑草が伸びる負の連鎖が始まってしまいますから、1年の終りは手を抜いてはいけません。レキシントンでは、集めた落ち葉が草木用のゴミ箱に入りきらなければ、紙袋に入れて収集日に出してください。紙袋は、清掃局の春秋のニュースレターについているクーポンを近所の指定スーパーに持参いたら無料で手に入ります。

 

雪かき

 雪かきの道具はお持ちですか?気温が低ければ粉雪、高ければボタ雪と、雪にも軽いのと重いのがあります。私見ですが、雪のかたまりを一度にドッとすくえる道具より、こまめに楽に動かせるタイプの方が効率的です。

 

 ガレージ前のドライブウェイに坂があるお宅にお住まいの方は、降雪の前に溶雪剤を撒いておきましょう。

 

X’マス電飾  華やかな電飾に輝く家並み…日本にいては見られない光景ですね。サンクスギビングが終わると気の早い人はすぐにクリスマスの飾り付けを始めます。最近は、カラフルな電球より無色球を数多く散りばめる家が増えています。昼間も点灯していると留守と思われ、空き巣に対して不用心です。屋外用のタイマーを買ってご利用ください。

自動車

 

雪、氷雨

 北米では、チェーンやスパイク・タイヤは使いません。雪が降ると、溶雪剤をまいて溶かしてしまいます。幹線道路の除雪はいつでも良好ですが、サブディビジョンの中の道路は後回しになります。

 

 フリージング・レインは、雨とも雪ともならない微妙な気温の時によく降ります。道路がスケート・リンクのようにつるつるに凍りますから、外出は極力控えましょう。屋外に駐車しておくと、ドアは凍りついて開かなくなってしまいます。ブラシがついた雪かき棒とスプレーのディアイサー(溶雪剤)を積んでおけば安心ですが、車内の雪かき棒が取り出せず役に立たなかったという悲しい笑い話もよく聞きますので特にご注意。

 

ワイパー液

 日本では汚れを洗い落とすくらいの役目ですが、冬の北米の運転で、ワイパー液は生命線です。除雪剤が跳ねて、フロント・ガラスに白くこびりつき前が全く見えなくなりますから、ワイパー液を繰り返し流しながら運転しなければなりません。もちろん凍り付いてはいけませんから、零下でも使える液を常に補充しておきましょう。

 

 除雪剤は車体にもよくありませんから、春には、洗車業者に車底まできれいに洗い落としてもらうとよいでしょう。

 

タイヤ空気圧

 理科の時間に習いましたね?温度が下がると気体は収縮します。つまり、気温が下がると、空気漏れがなくてもタイヤの空気圧は低くなりますから、冬に入る前に空気圧の調整をするのが望ましいわけです。

 

 パンクでもなければ日頃ほったらかしにされがちのタイヤですが、きちんとローテーションや空気圧の点検をしていれば、長持ちもするし、燃費にも良いのだそうです。

 


健康管理

 

インフルエンザ

 インフルエンザは略称「フルー」、予防注射は「フルー・ショット」です。2年前には品不足で一般の健康な大人はご遠慮くださいという事件が起きましたが、今年は大丈夫です。内科系のお医者さんなら用意しているところが多いようですが、一時的に在庫が切れることもありますから事前に確認した方がよさそうです。

 

 スーパーなど公共の場所で、日を決めて出張サービスを実施することもあります。

水とビタミンC

 医療の専門家とのお付き合いが増え様々なアドバイスをうかがっているうちに、私たち自身の健康管理術も変ってきました。風邪をひいても、熱が38℃を越えないくらいなら、むしろ薬は飲まない方がよさそうですね。

 

 以前の私は、むしろ「薬漬け」のタイプだったのですが、冬は「水とビタミンC」と決めてから、滅多に風邪をひかなくなりました。とにかく乾燥がひどいので、水を大量に飲んで冬を元気に乗り切ってください。

 

せき対策

 乾燥でのどをやられそうになったら、鼻から湯気とともにメンソレータムを吸い込む器具もあります。面倒でも、まめに使えば、効果があります。

 

 せきの薬は、主にシロップ状の飲み薬です。似たような製品が多数ありますから、能書きをよく読んで症状に合う薬を選んでください。せきは、長く続くと体力を消耗しますし、気管支炎から肺に入ったらたいへんですから、早くお医者さんに診てもらいましょう。