医療と健康

 

「お子様の編入健康診断とツベルクリン検査」

 

 第3号(06年9月15日発行)で、お子様が現地校に編入する際に受けるツベルクリン検査で陽性になり、結核予防薬の服用を強制されたケースをお伝えしましたが、その後、お困りの方の相談に乗ってくださるお医者さんを見つけました。よいお医者さんは常に忙しく、この方も患者さんがあまり増えては迷惑と考え名前は公表しませんが、お困りの方は個別に私たちにご照会ください。ただし、日本でBCG接種を受けた記録が必ず必要です。

 

ご相談:

 

 

 お子様の入学手続きの一環で、レキシントンのヘルス・デパートメント(州の医療施設)に行って健康診断を受けたところ、ツベルクリン反応が陽性のため、9ヶ月間、結核予防薬を服用させるよう命じられました。取敢えず学校に健康診断の結果は提出しましたが、副作用がこわいので薬は飲ませたくありません。

 

ご回答:

 もう11年経ってしまいましたが、私たちの娘がツベルクリン検査をしたところ陽性で大きく腫れ上がってしまったのです。当時、私たちの主治医は現ケンタッキー州知事のフレッチャーさん(元空軍パイロットで、その後ファミリー・ドクター、下院議員を経て州知事となった多彩な方)でした。あいにくフレッチャー先生はお留守で、同僚のジョージ先生に診てもらったのですが、ただちに「BCG陽転に付き治療不要・・・二度とツベルクリン検査をしてはいけない」と書いてくれて、事なきを得ました。

 

 お医者さんの対応はひとりひとり違うようで、以前、UKホスピタルに照会した時も、担当するお医者さんの判断次第という回答でした。ただ、これまでは、ヘルス・デパートメントに行けば日本の事情を知っていて薬の服用を免除してくれるので大丈夫と聞いていましたし、事実、私もセカンド・オピニオン(別のお医者さんが服用を命じたのを取り消す意見書)を取るのを手伝ったこともあるので、今度の奥様のご相談をうかがって驚きました。

 

 特に、今回は、お薬の種類が分かったので調べてみました。イソニアジド(INH)という「予防内服」のお薬で、日本では院内感染の予防に使ったりするようですね。いくつかのHPで調べると、(1)たいへん安全な薬だが他の薬のように副作用はある・・・発疹(痒みを伴うことが多い)、手足のしびれ、色の濃い尿、おう吐、食欲不振、吐き気、視力の変化、説明のつかない発熱、説明のつかない疲労、急な胃の痛み(2)肝機能障害,またはその前歴,あるいはその疑いのある人/腎機能障害またはその疑いのある人/精神障害の前歴/アルコール中毒/てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの前歴/薬物過敏症/血液障害,出血傾向のある人は慎重に服用(3)カジキ、ブリ、ハマチ、アジ、サヨリ、サワラ、たらこ、すじこ、かつお、さんま、まぐろ、飛び魚、いわし、サバ科の魚類など魚に含まれるヒスチジンという物質の代謝を阻害するため体内にヒスタミンが蓄積し、ヒスタミン中毒症状(顔面紅潮・頭痛・全身脱力・発疹・吐き気・嘔吐など)がでることがある(4)チーズ、ワイン、ビール、コーヒー、そらまめ、イチジク、ニシン、タラコ、スジコとヒドロキシトリプトファン含有食物バナナ、パイナップルさらにモノアミン含量の多いレバー、酵母などと一緒に内服すると、血圧上昇、動悸、頭痛などのアミン中毒症状が出現するなどの記事(おくすり110番, 薬辞苑, goo ヘルスケア, ファイザー Physician’s Web)がありました。

 

 そもそも法的にはどうなのでしょう?ケンタッキー州法の902 KAR 2:090.「Tuberculosis detection, prevention, and control」には、KRS 215.520 authorizes the Cabinet for Health Services to discharge all duties relating to all matters of tuberculosis control, including: (1) clinical services foreither recalcitrant or drug resistant persons with active tuberculosis; (2) the facilitation of tuberculosis programs in cooperation with the Department of Education; (3)……と書かれているので、お医者さんは必ずしもイソニアド(INH)の内服を強制しなくてもよいように思えるのですが、今度、奥様がヘルス・デパートメントに行かれるときには、お医者さんにこの法令を見せて相談なさってはいかがでしょう。

 

お願い: ツベルクリン検査が陽性でも、レントゲン写真で診断して、お薬を処方せずに健康診断書を書いてくれるお医者さんをご存知の方は、ご面倒ですが、私たちにご連絡ください。